『なぜ経済学は自然を無限ととらえたか』

2
書 名:『なぜ経済学は自然を無限ととらえたか』
著 者:中村 修
出版社: 日本経済評論社(1995年)

<ひとこと解説> 自然科学の原則に照らして見れば、資源の限られた地球環境の中で無限の経済成長はあり得ない。経済学は科学的な思考からずれてしまっており、しかもそれを正そうとする論議を抹殺してしまった。現在の経済学の根本的な間違いを、熱力学(エントロピーの法則)の視点と経済学の歴史調査に基づいて分析指摘している。

<感想など> 現在の経済学で当然とされて目標になっている「永遠の経済成長」という考えは、あまりにも疑いを持たれずに受け入れられています。でも、それは不可能。そのことについて、科学的な視点と歴史的な視点から詳しく解説されています。

 科学的な視点(熱力学:エントロピーの法則)の部分は、若干専門的ではありますが、このことを理解すれば、経済学がどれだけ非科学的かが分かります。「限られた資源」に関して言えば、例えば地熱など無限に近いものを開発すれば克服できると言う人もいますが、エネルギー以外の限られた資源も無くなりますからね。そして見落とされているもっと大きな問題は、使えるエネルギー源を何らかの方法で増やすとそれを使うことでこれまで地球圏内に無かった廃熱が発生して、たまってしまうということです。

 歴史的な面の考察も面白いです。無限の経済成長は不可能というとても大切な話題が、経済学でなぜ取り上げられないのかという疑問に一つの答えを示してくれます。
経済学の専門家から、この本への反論が出ているのか、どんな反論ができるのか、興味が有ります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『増刊 現代農業』

Zoukan_web書 名:『増刊 現代農業』
出版社:農山漁村文化協会(農文協) 季刊
(左の写真又は上の書名をクリックすると、この書籍のホームページが開きます)

<ひとこと解説> 「より豊かに生きる」ためのアイデアと、様々な課題(医療や社会保障の問題、過疎化、農林水産業の衰退、経済不況、ホームレス、引きこもり、生きる喜びの低下など)に対応するための考え方や解決方法、実践例を、地域、生活、文化、農、食、自給、ライフスタイルなどの視点から紹介している。

バックナンバーの例:「定年帰農」「地域で介護を」「自然とともに平和をつくる」「若者はなぜ農山村へ向かうのか」「地域からのニッポン再生」「わが家と地域の自給エネルギー」「脱格差社会」「医療再生」「金融危機を希望に転じる」

<感想など> 出版社は、農林業などの専門書を発行している社団法人で、「現代農業」は専門家向けの農業雑誌ですが、この「増刊シリーズ」は全く様子が違います。豊かさを手に入れるための、まさに「地に足を付けた社会活動」の手引きという感じ。私のこれまでの人生に最も影響を与えた本4冊+1の「+1」です。2010年から「季刊 地域」という名前になって発行されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『暴走する資本主義』

4492443517書 名:『暴走する資本主義』
著 者:ロバート・B・ライシュ
出版社:東洋経済新報社(2008年)

<ひとこと解説> クリントン政権(米国)の労働長官が書いた経済の現状分析と問題解決の提案。信じられないような収入を手にする一部の人間。私たち一人一人が、安いものを買い、貯金には少しでも多く利子がついて欲しいいと願うことで、実は自分で自分の首を絞めている。暴走する資本主義が民主主義を乗っ取っている。など

<感想など> 日本にも広がる格差や貧困は、これまでのような遠い世界のことではなくなってきました。そしてそのような状況は、実は私たちがどっぷり浸かって信頼し切っている経済と政治の構造、そして私たち自身の行動パターンの中から生まれてきているようです。さらに、本来ならば両立すると考えられた資本主義と民主主義が両立していないことがこのような状況の根っこにあるという見解など、問題の解決のために必要な基礎的理解と、解決に向けた行動に進むためのヒントをもらえます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『絵本 パパラギ』

51320byjdxl__ss500_2_2 『絵本 パパラギ はじめて文明を見た南の島の酋長ツイアビが話したこと』
編集:エーリッヒ・ショイルマン 原訳:岡崎照男
構成・絵:和田 誠
出版社:学習研究社(2002年)

<ひとこと解説> 約100年前に、南太平洋の島の長老がヨーロッパを訪れて感じたことを語った物語。衣服、家、職業、娯楽など幅広いテーマで、ヨーロッパ人と島の人間との考え方の違いを指摘している。パパラギとは白人のこと。そして私たち「先進」社会の人間のこと。

<感想など> 私たち現代の日本人の「当然」と思っているようなことが、この長老の目から見るとずいぶんと違って見えるようです。例えば、体を覆うことや職業を持つことお金を使うことなどなど。そしてそれらの指摘は、生きるということや、人と人との関係についての私たちの(欧米的考えに浸っている人間の)「当然」という価値観に疑問を投げかけてくれます。話題はとても現代的で、エコや持続可能性を考える上でとても参考になります。原版は長くて読みづらのですいが、この絵本はとても読みやすいです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』

51tmfdjy7rl__ss500_書 名:『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』
著 者:C.ダグラス・ラミス
出版社: 平凡社ライブラリー(2004年)

<ひとこと解説>「タイタニック現実主義と本当の現実主義」、「グローバリゼーションは植民地の続き」、「経済発展で貧困は解決しない」、「交戦権を放棄しても自衛権は残るか」など、本のタイトル以上に中身は幅が広い。著者は沖縄に住む米国人の政治学者で、津田塾大学で20年間教えていた。この本は日本人を対象に書かれている。

<感想など>文庫本で全体量もそれほど多くなく、しかも章毎に話題が完結するのでとても読みやすい本です。常識的な考えを崩されるようなハッとさせられる見解を論理的に説明していて、難しく見える世界の課題が実は物の見方次第で解決できるのかもしれないと、希望を抱かせてくれます。とってもお勧めの1冊。

これまでのお勧め本は → カテゴリー「おすすめの本」をご覧下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『夏子の酒』

Photo ずいぶんと秋らしくなってきました。おすすめの本の紹介、1冊目からずいぶんと間があいてしまいましたが、2冊目はこれです。是非どこかで手に取ってみてください。

書 名:『夏子の酒』
著 者:尾瀬あきら
出版社:講談社(1988)

<ひとこと解説> 東京でコピーライターを目指す22歳の夏子は、新潟の酒蔵の娘。亡くなった兄の遺志を継いで日本一の日本酒を造るべく会社をやめて実家に戻る。兄の残した一握りの特別な米の種を有機栽培で増やそうとするが、農作業はきつく、村の人々の意識を変えることも容易ではない。そんな夏子が、次第に蔵人や村人たちと深くつながり、酒造りをきわめていく。1994年には、和久井映見主演でテレビドラマにもなった。

<感想など> 私にとっての生き方の師である三重県の農家の方の研修施設に置いてあったマンガ。ちょっと手に取ってみるとこれが面白くて、はまってしまいました。有機農業、村、家族、恋愛、そして美味しい日本酒、これらのテーマをたくみに織り成した奥深くて引き込まれる物語です。私の人生にもっとも大きな影響を与えた本(4作品)の一つ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2050年は江戸時代!?

 ブログ記事に、新しいカテゴリーを作りました。「おすすめの本」です。

 私のお気に入りや、人生に大きな影響を与えた本、この視点はおもしろいと思えたものなどを、短い文章で紹介してみたいと思います。

2050 今日ご紹介するのは、これ

書 名 : 『2050年は江戸時代 衝撃のシミュレーション』
著 者 : 石川英輔       
出版社 : 講談社文庫(1998年)

<ひとこと解説>
 2010年ごろを転機に、日本は工業社会から農的自給社会へと転換せざるを得なくなった。そして時は2050年。なぜ転換せざるを得なかったのか。この自給社会は不幸なのか。そこに暮らす若者たちと、2000年代の初めを知る老人たち(我々!?)の興味深いやりとりが展開される。

<感想など>
 他の作品では江戸時代の生活風俗やリサイクル事情などを紹介している著者が、小説という形でメッセージを伝えている好著。何とも突拍子も無い発想をしたものだ、、、とも思えるが、もしかしたら「あれは予言の書だった」と言われるようになるのかもしれない・・・。持続可能な社会を考えるきっかけとヒントがある。

 こんな感じで、時々書いてみます^^) よかったら参考にしてみてください。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)